
「面接って、結局どこを見られているんだろう」
「志望動機、どう言えば伝わるのか分からない」
「落ちた理由が分からないまま、次の面接の日が来てしまう」
説明会の帰り道に、「薬剤師 面接 見られる」「薬剤師 採用 基準」とスマホで検索して、マナーと想定質問の一覧ばかり出てきた、ということはありませんか?
結論から先に言います。採用する側が見ているのは、答え方のうまさではありません。一緒に働いている姿が想像できるかどうかです。
実は、やくフェスの運営に関わる薬剤師には、実際に新卒採用を担当している人がいます。今回、その2人に別々に同じ質問をしました。
今回は、2人の答えが一致した3つの共通点と、学生からは見えにくい採用側の本音を、そのまま紹介します。
1. 面接で見られているもののリアル
学生の側は、面接を「正しく答えられたかどうかのテスト」だと思いがちです。用意した答えを、噛まずに言えたか。そこを一番気にします。
ところが、採用する側が見ているのは別のところです。この人と、毎日同じ調剤室に立てるか。ほとんどそこに集約されます。
とくに中小の薬局では、面接に出てくるのが社長や現場のリーダー本人です。人事の専任者ではなく、これから一緒に働き、教える側の人が座っています。
→ だから質問も、評価項目を埋めるためのものではなく、素の反応を見るためのものになります。
専門家コラム:「自分が面倒を見きれる学生か」で判断している
採用の判断軸について、人事部長の経験がある薬剤師から、こんな答えが返ってきました。
現時点では物足りないかもしれないが、自分が面倒を見きれる学生であれば採用も考えます。一方、見切れないなと感じる学生は、結局のところ見送らざるを得ません。
——武田 隆芳(漢方薬局 嶺耀堂/やくフェス主催者)
厳しく聞こえるかもしれませんが、裏を返すとこうなります。面接は、能力の値踏みではなく「相性の確認」だということです。
→ 落ちたとしても、それは学生の価値が低いという話ではありません。その職場で見きれる範囲と、噛み合わなかっただけです。
【あわせて読みたい】
相性を確認するのは、学生の側も同じです。逆質問の使い方はこちらにまとめています。
2. 【比較表】2人に別々に聞いたら、同じ答えが返ってきた
別の薬局で、別々に採用をしている2人に、同じ質問をしました。並べると、言い方は違うのに、指しているものが同じでした。
| 論点 | 林 泰太郎(太陽堂 薬局長) | 武田 隆芳(嶺耀堂) |
| 何を見るか | 心意気。「何をしたいのか」は確実に聞く | 「人のためになりたい」という想いが言葉の端々ににじむか |
| 対人面 | 気を使える人がいい。自分本位に走る人は続かない | 空気が読める。報連相ができる。聞き上手と話し上手のバランス |
| インターン | 勉強ありきの場。そこをないがしろにする人は分かる | 遠慮せず、就職したつもりで本気でやり切る |
表をひと言でまとめると、「何をしたいか」「周りが見えるか」「本気でやるか」の3つです。1人の好みではなく、採用する側に共通する基準だと考えられます。
3. この3つを、面接でどう出すか
①「何をしたいか」は、肩書きではなく場面で言う
「地域医療に貢献したい」だけでは、どの薬局にも当てはまってしまいます。どんな場面で、誰に、何をしている自分か。そこまで具体化すると伝わります。
→ 実習で見た光景や、患者さんとのやりとりが、そのまま材料になります。
② 協調性は、エピソードより「受け答え」に出る
「協調性があります」と自己PRするより、質問の意図をつかんで答えられるかのほうが、はるかに強く伝わります。
聞かれたことと少しずれた答えが続くと、現場では「報連相が噛み合わないかもしれない」という不安に変わります。
③ インターンは「見に行く場」ではなく「やる場」
ここは、2人ともはっきり言っていた点です。学生は条件を確かめに行くつもりでも、受け入れる側は「学びに来る場」だと思っています。
→ 与えられたことを本気でやり切る姿勢そのものが、その職場のリアルな働き方を知る最短ルートにもなります。
4. 見送られる学生に共通していること
採用を見送った学生の共通点も、2人に聞きました。ここも重なっていました。
- 自分のことばかりで、協調性がなさそうに見える(林)
- 「うちの会社でなくても良さそうだな」と感じる(武田)
- 志望動機がふわっとしていて、企業ごとの違いを深掘りできていない(武田)
→ ここから言えるのは、志望動機は「熱意の強さ」ではなく「深掘りの具体さ」で差がつくということです。
その深掘りは、大手かどうかでは決まらない
武田さんは、学生が勘違いしがちな点として「大手がなんでも良いと思い込んでいること」を挙げています。
教育制度や福利厚生が充実している企業は確かに多い。ただし、みんなにとって一番良いとは限らないという指摘です。
→ 本当の比較軸は、規模ではなく自分にとって成長できる場所かどうか。ここが自分の言葉になっていると、志望動機は自然と深くなります。
【あわせて読みたい】
面接という場の外で、職場の素を見る方法もあります。
薬剤師の面接に関するよくある質問(FAQ)
緊張してうまく話せません。それだけで落ちますか?
武田さんが挙げているのは「受け答えが噛み合っているか」であって、流ちょうさではありません。
詰まってもかまいません。聞かれたことに答えているかのほうが大事です。
志望動機は、どこまで深掘りすればいいですか?
武田さんの基準は「うちでなくても良さそう」と思われないところまで、です。
目安は、その一文が他社の面接でそのまま使えてしまうかどうか。使えるなら、まだ浅いということです。
インターンでは、どこまで積極的に動いていいですか?
林さんも武田さんも、遠慮しすぎないほうがよいという考えでした。
短期でも、就職したつもりでやってみるのが、双方にとって一番わかりやすい形になります。
学生時代の実績が少なく、話せることがありません。
林さんが聞いているのは実績ではなく、「何をしたいのか」という方向のほうです。
実習で心が動いた場面が1つあれば、それが材料になります。
まとめ:面接は、テストではなく相性の確認
別々に採用をしている2人が、そろって同じ3つを挙げました。「何をしたいか」「周りが見えるか」「本気でやるか」です。
どれも、テクニックで作れるものではありません。逆に言えば、付け焼き刃の準備をしなくてもいいということでもあります。
やくフェスは、その3つを面接の前に、お互いに確かめられる場所です。採用する側の人と、まず普通に話してみてください。
最新のイベント情報はLINEを登録して待とう。
「次のメシ会はいつ?」、「どんな人が来るの?」といった最新情報は、公式LINEでいち早くお届けしています。
イベントへの申し込みはもちろん、何か気になる点などありましたらお気軽にご連絡ください。
- 30秒で簡単登録!
- 最新のイベント告知が届く
- 個別の相談もOK
記事監修者 漢方薬局 太陽堂 薬局長・薬剤師 林 泰太郎

調剤薬局で3年間勤め、西洋の薬だけでは治療が難しい病気の壁に直面。
・「治療の難しい病気をなんとか治したい。」
・「ひとりでも多くの患者さんを笑顔にしたい。」
という想いから漢方の道へ。
漢方薬局で3年間修業をして、2015年 『漢方薬局 太陽堂』を立ち上げ。
開局10年を迎えた今も1ヶ月の平均来局数は900名を超え、お客様にご愛顧いただいている太陽堂の漢方薬剤師です。
記事監修者 漢方薬局 嶺耀堂 薬剤師・やくフェス主催者 武田 隆芳

これまで4年間病院、8年間調剤薬局で勤務。
西洋薬で様々な事を学んできましたが、身近にいる人の悩みにもっと深く関わり治していきたいという想いがあり漢方の道へ。
西洋医学・東洋学にも精通。
また人事部長の経験から人を繋ぐ取り組み企業×学生の「やくフェス」を開催。
現在100人規模の人数が集まり随時開催されている。


