薬学部の実験レポートの書き方|考察が書けないときの3つのコツと、薬局の仕事での活かし方

「実験は終わったのに、レポートが終わらない」
「考察に何を書けばいいのか、毎回分からない」
「がんばって書いたのに、赤ペンで真っ赤になって返ってきた」

提出の前の夜に「薬学部 レポート 書き方」「実験レポート 考察 書けない」とスマホで検索して、例文ばかりが出てきて手が止まった、ということはありませんか?

結論から先に言います。考察が書けないのは文章力の問題ではなく、「結果」と「考え」を分けないまま書き始めているからです。順番を決めれば、書く中身は自然に出てきます。

そしてこの書き方は、薬局で働き始めてから毎日使う力でもあります。やくフェスで現場の薬剤師と話していると、そのつながりがよく見えます。

今回は、レポートの基本の形、考察が書けないときの3つのコツ、そして仕事と就活へのつながりを順番に整理します。

目次

1. 薬学部の実験レポートのリアル

書式は大学や先生によって違いますが、骨組みはだいたい同じです。目的・方法・結果・考察・参考文献の5つです。

このうち、目的と方法は実験書を見ながら書けます。つまずくのは結果と考察の境目です。「こうなった」と「だからこう思う」が、同じ段落に混ざってしまうのです。

もうひとつの壁は量です。実習の時期は実験が続き、前のレポートが終わる前に次の実験が来ます。→ 1本にかけられる時間は、思っているより短いと考えてください。

だからこそ、毎回ゼロから悩まずに済む「自分の型」を早めに作ることが、いちばんの時短になります。

専門家コラム:読む人のことを考えられるかどうか

レポートの話から少し離れます。採用にも関わっている薬局長に「採りたいのはどんな学生か」を聞いたとき、返ってきたのはこんな言葉でした。

採用する側のリアルボイス

気を使える子はいい。逆に、自分本位に走る子は続かない。採らなかった学生の共通点を挙げるなら、自分のことばかりの子、協調性がなさそうな子です。

(林 泰太郎/漢方薬局 太陽堂 薬局長)

ここからは編集部の考えです。レポートが読みにくくなるのは、たいてい書く側の都合だけで並べたときです。読む先生が何を知りたいかを先に考えると、書く順番が決まります。

→ 「読む人に気を使う」は、文章でも同じように練習できる、ということです。

【あわせて読みたい】

薬剤師が1日の中でどんな記録や報告をしているかは、こちらで職場ごとに比べています。

2. 【比較表】書き直しになるレポートと、通るレポート

項目書き直しになりやすい通りやすい
目的実験書の文をそのまま写す「何を確かめる実験か」を自分の言葉で1〜2文
結果数字と感想が混ざっている数字・表・図だけ。考えは書かない
考察「うまくいった」「失敗した」で終わる予想との差と、その理由を書く
参考文献書いていない、ネットの記事だけ教科書や論文を示し、どこを根拠にしたか分かる

右の列に共通しているのは、「事実」と「考え」がはっきり分かれていることです。これができるだけで、赤ペンの量は大きく減ります。

3. 考察が書けないときの3つのコツ

① まず結果を1文で言い切る

考察を書く前に、「結局どうなったか」を1文で書いてください。たとえば「予想より反応が遅かった」のように。

→ この1文があると、考察は「なぜそうなったか」を書くだけになります。書き出しで迷わなくなります。

② 「なぜ」を教科書で1つ裏づける

理由を思いつきで並べると、感想文になります。理由をひとつ選び、教科書や文献で裏づける。数を増やすより、1つを確かにするほうが評価されやすいです。

なお、友人や先輩のレポートを写すのは不正として扱われます。参考にするのは構成までにしておきましょう。

③ 「次にやるなら」で締める

最後に「もう一度やるなら、ここを変える」を1〜2文で書きます。実験がうまくいかなかったときほど、この一文が考察の中身になります。

4. レポートの書き方は、薬局の仕事と就活でそのまま使う

薬局では、患者さんごとに薬歴(やくれき:服薬の記録)を書きます。よく使われるのがSOAP(ソープ)という形で、患者さんの話・客観的な情報・評価・次の計画を分けて書きます。

→ これは、レポートの「結果」と「考察」を分ける練習とまったく同じです。事実と考えが混ざった記録は、次に読む薬剤師が困ります。

医師に患者さんの様子を文書で伝えるトレーシングレポート(服薬情報提供書)も、短く・根拠つきで書くのが基本です。ここでも「読む人に気を使う」が効いてきます。

そして就活の面接。「結論を先に、理由をそのあとに」という話し方は、レポートの型そのものです。低学年のレポートは、4年後の面接の練習にもなっています。

採用する側が面接で実際に何を見ているかは、こちらにまとめています。

実験レポートに関するよくある質問(FAQ)

考察は何文字くらい書けばいいですか?

指定は先生や実習ごとに違うので、まず実験書や先生の指示を確かめるのが先です。

長さより、予想との差と、その理由が書けているかのほうが見られています。

実験に失敗しました。レポートはどう書けばいいですか?

結果はそのまま書きます。数字を合わせたり、なかったことにしたりしないでください。

「なぜずれたか」「次にやるなら何を変えるか」を書けば、十分に考察になります。

先輩のレポートを参考にしてもいいですか?

見出しの立て方や図の見せ方など、構成を学ぶのはよい方法です。

ただし文章や数字を写すのは不正です。自分の実験の結果で、自分の言葉で書いてください。

レポートが就職に関係するのは本当ですか?

成績として見られるわけではありません。ただ、事実と考えを分けて伝える力は、薬歴や医師への報告で毎日使います。

学生のうちに身につけておくと、現場に出てから楽になる力です。

まとめ:事実と考えを分けるだけで、レポートは変わる

考察が書けないのは、才能の問題ではありません。結果と考えを分けないまま書き始めていることが原因です。

コツは3つだけです。結果を1文で言い切る、「なぜ」を1つ裏づける、「次にやるなら」で締める。次のレポートから試せます。

この書き方が現場でどう生きるのかは、実際に働く薬剤師に聞くのがいちばんの近道です。やくフェスでは、学年を問わず現場の人と話せます。


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木目調の温かいテーブルを背景に、中央にLINEのロゴ、その周囲に「YAKUFES」というタイトル文字がデザインされています。周りにはビールジョッキや食器、薬学を象徴する乳鉢と乳棒が配置され、飲み会と薬学の融合を表現した親しみやすいイメージ画像です。
やくフェスの特徴である、求人票ではなく人と話すつながりを表したイメージ画像です。

記事監修者 漢方薬局 太陽堂 薬局長・薬剤師 林 泰太郎

調剤薬局で3年間勤め、西洋の薬だけでは治療が難しい病気の壁に直面。

・「治療の難しい病気をなんとか治したい。」
・「ひとりでも多くの患者さんを笑顔にしたい。」

という想いから漢方の道へ。
漢方薬局で3年間修業をして、2015年 『漢方薬局 太陽堂』を立ち上げ。
開局10年を迎えた今も1ヶ月の平均来局数は900名を超え、お客様にご愛顧いただいている太陽堂の漢方薬剤師です。

記事監修者 漢方薬局 太陽堂 漢方薬剤師 前原 信太郎

祖父が沖縄で開業医をしていた影響もあって、薬に触れる仕事がしたいと「薬学」の道へ。

6 年間調剤薬局に勤めていましたがライフスタイルや食生活が変化する現代において、調剤(病院のお薬)だけで病気を治していく事に限界を感じ、2017年漢方薬局 太陽堂に入局。

その中で一人一人の体質に合わせて病気を改善していく漢方に出会い、その道に進み、今に至る。

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